時が授けた贈り物 — 自然(じねん)のままに
- 2025年12月25日
- 讀畢需時 1 分鐘
已更新:2025年12月28日
荒廃とは、時に土地が深く吐く「ため息」であり、深呼吸のようなものである。
初めてこの茶園を目にした時、私はその圧倒的な「野性」に言葉を失った。
そこにあったのは、私たちが思い描くような整然と剪定された茶山ではない。
人の背丈を超える雑草、小緑葉蟬(ウンカ)が残した虫食いの跡、そして荒野の中で孤独に、しかし誇り高く立つ老茶樹。
前所有者が去った十年の空白は、皮肉にもこの土地に本来の均衡(バランス)を取り戻させていた。
新しき主は私に語った。「ここを造り変えようとは思わない、ただ茶の木を救い出したいだけだ」と。
彼は慈しむような優しさで、一歩ずつ荒廃を紐解き、この十年間土地が積み重ねてきた悲喜こもごもをすべて受け入れた。
「自分が飲むための茶だから、何より健やかで、心安らぐものでなくては」と彼は微笑む。
その時、私は悟った。この一杯に宿るのは、蜜のような香りと甘みだけではない。「手放す」ことで辿り着いた、達観の境地なのだ。
人が自然を支配しようとするのを止めた時、自然は贈り物を与えてくれる。
農薬も化学肥料もない。ここにあるのは、静寂に包まれた十年の歳月だけ。
これは茶の変容であると同時に、「見守り、守り抜く」という心の物語でもある。
方寸キュレーター 記
